『黒の将軍と東の塔の魔女』のこと そのいち
2013-01-10


『黒の将軍と東の塔の魔女』のあとがきは1ページしかありません。
なぜかというと、姫野が楽しく書き過ぎて、本文がちょーっと(ちょっと?)長くなってしまったせいです。短くまとめるのは難しいですね。何年やっても上達しません。編集さま、ごめんなさい。
そんなわけで、あとがきにはごあいさつ程度のことしか書けなかったので、本来だったらあとがきに書こうと思っていたことを少し書いてみようかと思います。
ネタバレっぽい内容もあるかもと思いますので、そういうのがおきらいな方は飛ばしてください。よろしくお願いします。

まずは、コリアリアとオレアンデルのお話。
コリアリア、オレアンデル、共に、日本でもお目にかかることのできる植物です。
コリアリアのほうは、和名をドクウツギといい、日本国内にも自生しているそうです。その赤い実は、甘く、美しく、知らずに食べてしまった人が中毒死することもあったとか。見るからにまずそうだったり、せめて苦かったりすれば、口にすることもないのに。それが、この木の実の最もおそろしいところではないかと思ったりもします。
コリアリアは、近畿より北の河川敷や野原で見かけることができるそうです。姫野は、野生のものはもちろん、植物園などでも見たことはありませんが、オレアンデルのほうは日常的に目にしています。
排気ガスに強いオレアンデルは、街路樹にもよく利用されていますし、原爆投下後の広島では一番最初に芽吹いたといわれています。
もう、おわかりですね。オレアンデルとは、実は夾竹桃のことです。文中にも『夾竹桃』と表記してもよかったのですが、なんとなく、『夾竹桃』よりも『オレアンデル』のほうが中世ヨーロッパの植物っぽい気がして、そちらを選びました。
夾竹桃は、あまりにも身近過ぎるせいか、バーベキューの串にした兵士たちが大勢中毒を起こしたとか、誤って餌に混入していた夾竹桃を食べた牛が死んだとか聞かされても、なんだか信じられません。夾竹桃が植わっている周辺の土壌や、葉で作った堆肥にも毒があるそうですから、かなりの猛毒なのでしょう。生木を燃やした煙も毒なので、夾竹桃の木の近くでは焚き火もできないということですね。
なんにしても、意外なほど身近なところに、こんなにもおそろしい植物があるとは驚きです。
お話の中ではオレク兄ちゃんが悪いことに使っていましたが、よい子の皆さんは(悪い子も!)真似しちゃダメですよー。
[むだごと]

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